桜島:火山の状況に関する解説情報(第037号)

4月10日16時0分
福岡管区気象台 鹿児島地方気象台

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 4月7日から10日15時までの桜島の活動状況をお知らせします。南岳山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規模な火砕流を伴う噴火が発生するおそれがあります。

桜島では、噴火活動が続いています。
 
 南岳山頂火口では、ごく小規模な噴火が時々発生しました。
 
 昭和火口では、噴火は観測されていません。
 
 南岳山頂火口では、期間を通して夜間に高感度の監視カメラで火映を観測しました。昭和火口では火映は観測されていません。
 
 火山性地震は少ない状態で経過しています。火山性微動は観測されていません。
 
 GNSS連続観測では、2023年1月頃から、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)を挟む一部の基線において、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部の膨張を示す基線のわずかな伸びがみられています。また、2023年1月頃から、桜島島内の一部の基線で、山体の隆起・膨張に伴うと考えられるわずかな伸びが認められます。
 
 桜島では、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部にマグマが長期にわたり蓄積した状態であり、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量も概ね多い状態で経過しています。また、山体膨張を示す地殻変動が引き続き観測されていることから、今後も噴火活動が継続すると考えられます。今後の火山情報に注意してください。
 
 火山性地震、爆発の回数は以下のとおりです。なお、火山性地震の回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。
 
            火山性地震  爆発
  4月 7日        1回  0回
     8日        0回  0回
     9日        3回  0回
    10日15時まで   1回  0回

南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るため注意してください。
 爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生する可能性がありますので留意してください。

火山の状況に関する解説情報(詳細)

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